ストレージエリアネットワーク(SAN)とは?基礎から実装方式まで

DXを学びたい
先生、SANって複数のコンピューターとストレージを繋ぐネットワークのことなんですよね?でも、どうしてそんなものが必要なんですか?

DXアドバイザー
いいところに気が付きましたね。昔はコンピューターとストレージを直接繋ぐ方式が主流だったんです。でも、情報が増えると管理が大変になるので、SANを使ってストレージをまとめて管理するようになったんですよ。

DXを学びたい
なるほど、ストレージをまとめることで管理が楽になるんですね。SANにはFC-SANとIP-SANの2種類があると書いてありましたが、それぞれ何が違うんですか?

DXアドバイザー
FC-SANは光ファイバーを使っていて、とても高速だけどコストが高いんです。一方、IP-SANは一般的なインターネットの技術を使っていて、コストは低いけど速度は少し遅くなります。どちらを選ぶかは、必要な速度と予算によって決まりますね。
SANとは。
「デジタル変革」に関連する用語である『SAN』(ストレージエリアネットワーク)とは、複数のコンピューターと外部記憶装置を接続する高速な通信網のことです。情報技術システムの導入が加速するにつれて、業務システムごとにサーバーと外部記憶装置を直接接続する方式が用いられていました。しかし、この方式では、情報量の増加やバックアップの対応など、運用管理に大きな負担がかかります。その負担を軽減するために考えられたのが、専用の通信網で外部記憶装置をまとめることができるSANです。SANの実現方式は、大きく分けて二種類あります。一つは、装置間の接続に光ファイバーを使用する方式で、光ファイバーケーブルや専用のスイッチなどを組み合わせて構築されます。もう一つは、装置間の接続に一般的な通信規格と技術を利用する方式です。光ファイバーを使用する方式は性能に優れるものの費用が高く、一般的な通信規格と技術を利用する方式は費用が低いものの性能が劣るといった特徴があります。SANの実現方式は複数ありますが、いずれも既存の通信網の速度に影響を与えずに、高速なデータ転送が可能です。複数の外部記憶装置に複数のサーバーからアクセスできるようになるため、サーバーを集約するような大規模な外部記憶装置の活用に適しています。
情報基盤におけるストレージの課題

情報技術の進化に伴い、多くの組織で情報基盤のストレージに関する課題が顕在化しています。従来型の直接接続ストレージは、導入の容易さから広く採用されてきましたが、情報量の急増とそれに伴う保守管理の複雑化が大きな問題となっています。各サーバーが個別のストレージを持つため、容量の有効活用が難しく、投資の無駄が生じやすいという課題もあります。さらに、障害発生時の対応が煩雑になり、業務継続性を脅かす可能性も無視できません。これらの問題を解決するため、より効率的で柔軟なストレージ管理が求められています。そこで、ネットワークを介してストレージを統合管理する新たな手法が重要になります。これは、従来型のストレージの限界を打破し、情報資産を最大限に活用するための基盤として不可欠な要素となります。
| 課題 | 詳細 |
|---|---|
| 保守管理の複雑化 | 情報量の急増に伴い、ストレージの管理が困難になる |
| 容量の有効活用が難しい | 各サーバーが個別のストレージを持つため、容量に無駄が生じやすい |
| 障害発生時の対応が煩雑 | 個別のストレージ環境では、障害時の対応に手間がかかり、業務継続性を脅かす |
| 新たな手法の必要性 | ネットワークを介してストレージを統合管理することで、これらの課題を解決する必要がある |
| 情報資産の最大限の活用 | 効率的で柔軟なストレージ管理は、情報資産を最大限に活用するための基盤となる |
ストレージエリアネットワークの概念

複数の計算機と記憶装置を専用の高速回線で接続する仕組みが、ストレージ領域ネットワークです。これにより、複数の計算機から複数の記憶装置へ同時に情報を読み書きできるようになり、記憶資源の有効活用と一元管理が実現します。従来のように計算機ごとに記憶装置を割り当てるのではなく、回線を通じて記憶資源を共有することで、記憶装置の利用効率を大幅に向上させることが可能です。また、ストレージ領域ネットワークは、計算機集約や仮想化環境との親和性が高く、これらの技術と組み合わせることで、情報基盤全体の柔軟性と拡張性を高めることができます。例えば、仮想機械を異なる物理計算機に移動させる際に、ストレージ領域ネットワーク上にデータがあれば、迅速かつ円滑に移行作業を行うことが可能です。さらに、ストレージ領域ネットワークは、データの控えや災害対策にも有効です。記憶装置間のデータ複製や控えを高速に行うことができるため、万が一の事態が発生した場合でも、迅速なデータ復旧が可能となり、事業継続性を確保することができます。ストレージ領域ネットワークは、単なる記憶の共有にとどまらず、情報基盤全体の可用性、信頼性、運用効率を向上させるための重要な要素となっています。
| 特徴 | 説明 |
|---|---|
| 高速接続 | 複数の計算機と記憶装置を専用回線で接続 |
| 記憶資源の有効活用 | 複数の計算機から複数の記憶装置へ同時アクセス |
| 利用効率の向上 | 記憶装置を共有し、割り当て方式よりも効率化 |
| 仮想化環境との親和性 | 計算機集約や仮想化環境との連携が容易 |
| データ移行の円滑化 | 仮想機械のデータ移行が迅速 |
| 災害対策 | データ複製やバックアップを高速化 |
| 事業継続性の確保 | 迅速なデータ復旧により事業継続性を確保 |
| 可用性、信頼性、運用効率の向上 | 情報基盤全体の改善に貢献 |
二つの実装方式:光ファイバーチャネルとインターネットプロトコル

データ保管領域ネットワークを構築する際、主に二つの実装方式が存在します。一つは光回線通信路を用いる方式、もう一つは通信規約を用いる方式です。光回線通信路方式は、光回線通信路技術を活用し、高速かつ遅延の少ないデータ伝送を実現します。そのため、高い処理能力が求められる基幹業務や大規模な情報基盤に適しています。一方、通信規約方式は、既存の有線通信網上で通信規約を用いてデータ伝送を行います。光回線通信路方式に比べると性能面では劣りますが、既存の通信基盤を有効活用できるため、導入にかかる費用を抑制できます。また、技術が広く普及しており、導入や運用が比較的容易であるという利点もあります。どちらの方式を選ぶかは、システムの要件や予算、そして既存の基盤などを考慮して決定することが重要です。例えば、予算に制約がある場合は、通信規約方式を選択し、将来的な拡張に備えるという選択肢も考えられます。自社の事業における要求に最適な構成を検討することが肝要です。
| 実装方式 | 技術 | 特徴 | メリット | デメリット | 適した用途 |
|---|---|---|---|---|---|
| 光回線通信路方式 | 光回線通信路技術 | 高速、低遅延 | 高い処理能力 | 導入コストが高い可能性 | 基幹業務、大規模情報基盤 |
| 通信規約方式 | 通信規約 (既存の有線通信網上) | 既存の通信基盤を利用 | 導入費用を抑制、導入・運用が容易 | 性能面で光回線通信路方式に劣る | 既存の通信基盤の活用、予算制約がある場合 |
光ファイバーチャネルストレージエリアネットワークの詳細

光回線網ストレージ領域ネットワークは、高速な情報伝送を実現するために、光回線ケーブルと専用の光回線網切り替え器を使用します。この方式は、非常に短い遅延時間と広い帯域幅を提供するため、取引処理の多いデータベースや、映像編集などの高負荷な応用ソフトに最適です。光回線網ストレージ領域ネットワークの構築には、光回線ケーブル、光回線網切り替え器、主処理装置バスアダプターといった専用の機器が必要となり、初期導入費用は比較的高くなります。しかし、その高い性能は、事業における重要な情報を扱う仕組みにおいて、投資に見合う価値を提供します。また、光回線網ストレージ領域ネットワークは、長距離の情報伝送にも適しており、遠隔地にある情報センターとの間で、高速かつ安定した情報複製を行うことができます。これにより、災害対策や事業継続計画において、重要な役割を果たします。光回線網ストレージ領域ネットワークの導入には、専門的な知識が必要となるため、経験豊富な技術者の支援が不可欠です。しかし、適切な設計と構築を行うことで、情報仕組み全体の性能を大幅に向上させることができます。
| 特徴 | 詳細 |
|---|---|
| 高速な情報伝送 | 光回線ケーブルと専用の光回線網切り替え器を使用 |
| 低遅延・広帯域 | 取引処理の多いDBや映像編集に最適 |
| 初期導入費用 | 光回線ケーブル、光回線網切り替え器、主処理装置バスアダプター等が必要で比較的高価 |
| 投資対効果 | 重要な情報を扱う仕組みにおいて価値を提供 |
| 長距離伝送 | 遠隔地との高速かつ安定した情報複製が可能 |
| 災害対策・事業継続 | 重要な役割を果たす |
| 専門知識 | 導入に専門知識が必要、経験豊富な技術者の支援が不可欠 |
| 性能向上 | 適切な設計と構築で情報仕組み全体の性能を大幅に向上 |
インターネットプロトコルストレージエリアネットワークの詳細

インターネットプロトコルを用いた保管領域ネットワークは、既存の通信網を基盤とするため、新たな設備投資を抑制できます。iSCSIという通信規約を用いて、保管装置と情報処理装置間で情報をやり取りします。これは、TCP/IP上でSCSI命令を包み込み、通信網を通じて保管領域へ接続する方法です。光回線を用いた保管領域ネットワークに比べると性能面で劣るものの、汎用的な技術を利用するため、導入や運用が容易です。特に、中小規模の企業や予算に制約がある企業にとって、費用対効果の高い保管解決策となります。性能は、通信網の帯域幅や遅延に左右されるため、安定した通信環境の構築が不可欠です。また、情報暗号化や接続制限など、保安対策も重要になります。仮想化環境や雲保管との連携にも適しており、柔軟な保管環境を構築できます。既存の通信基盤を活用しながら、効率的な保管管理を実現したい場合に有効な手段です。
| 特徴 | 詳細 |
|---|---|
| 基盤 | 既存の通信網 (インターネットプロトコル) |
| 通信規約 | iSCSI (TCP/IP上でSCSI命令をカプセル化) |
| 利点 |
|
| 欠点 | 光回線SANに比べて性能が低い |
| 注意点 |
|
| 用途 | 効率的な保管管理 |
導入効果と将来展望

情報保管領域ネットワークの導入は、企業の活動に多岐にわたる良い影響をもたらします。まず、情報保管資源の有効活用が進み、一元的な管理が可能になります。これにより、データの転送速度が向上し、複製作業の効率化も実現します。これらの効果は、情報基盤全体の運用効率を高め、事業の成長を力強く後押しします。特に、データ量が著しく増加している現代において、情報保管領域ネットワークは、企業が競争力を維持するために欠かせない技術と言えるでしょう。今後も情報保管領域ネットワークの技術は進化を続け、さらに高速で柔軟な情報保管手段が開発されると予想されます。例えば、新しい高速な接続技術や、計算機能を持つ情報保管装置といった技術が、情報保管領域ネットワークの性能を飛躍的に向上させると期待されています。また、クラウド上の情報保管場所との連携も強化され、自社内とクラウドを組み合わせた柔軟な情報保管環境がより一般的になるでしょう。情報保管領域ネットワークは、単なる情報保管の管理に留まらず、データを活用した事業を支える基盤として、ますます重要な役割を担うと考えられます。企業は、情報保管領域ネットワークの最新動向を常に把握し、自社の事業に必要な情報保管の戦略を立てることが重要です。
| 利点 | 詳細 |
|---|---|
| 情報保管資源の有効活用 | 一元的な管理が可能 |
| データ転送速度の向上 | |
| 複製作業の効率化 | |
| 情報基盤全体の運用効率向上 | 事業成長を後押し |
| 競争力維持 | データ量増加に対応 |
| 技術進化の展望 | 高速接続技術、計算機能付き情報保管装置、クラウド連携強化 |
| 事業基盤としての役割 | データ活用事業を支える |
